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人類が頼るべき原子力の代替エネルギーは何か?

原子力の次を担うエネルギーは何か?という命題を、東日本大震災は我々に突き
つけています。
今回は、いろいろな代替エネルギーについて考えてみました。


CNNでは、今回の原発事故を受けて、次の代替エネルギーは何だ?
という問いかけを始めています。
「Japan and energy: What's the alternative?」

CO2削減効果の高いエネルギーの切り札として、世界から多くの期待を寄
せられ、世界各国で建設計画が実行されていた原発。 今回の福島第一
原発の事故で、そのムードは吹っ飛んでしまいました。

では、次の代替エネルギーは一体何なのか? この問いかけに対する回
答は、一部の研究者や政府関係者だけに任せているだけではなく、我々
自身もシロートながら主体的に考えてみる必要があるのではと思ってい
ます。

現在、日本のエネルギー別発電電力量は、2009年の統計で、LNG 29.4%、
原子力 29.2%、石炭 24.7%、水力 8.0%、石油 7.6%、新エネルギー
1.1%となっています(日経2011年3月25日朝刊)。

CNNのレポートでは、新エネルギーのひとつである「風力発電」にフォ
ーカスを当てています。  福島第一原発の近くで稼働していた風力発
電プラントは、一基のタービンを残して、その他全て順調に稼働してい
ると報告しています。

ただ、風力発電の問題は、まだその発電規模がとても小さいという点で
す。 確かにクリーンで、安全で、地震にも強いということが実証され
たとしても、前述のプラントの場合、福島第一原発の6号機までの合計
能力の10分の一程度でしかありません。

同じ新エネルギーを見ていきますと、「太陽熱発電」も盛んになって来
ています。 2011年2月25日付日経に、三菱商事が、スペインで世界最大
級の太陽光発電を現地企業と共同運営するという記事が出ていました。

発電能力は20万キロワットで、一般家庭10万世帯分の電力需要を賄える
とのことです。 現在世界の太陽熱発電能力は100万キロワットであるが、
2020年にはその150倍に増える見通しです。 ただ、発電効率は高いので
すが、難点は広大な土地が必要になる点です。

石油や石炭に続くエネルギーとして期待の高いのは、「メタンハイドレ
ード」
といわれる、メタンを豊富に含んだ物質です。 東海大学の山田
義彦教授の報告によりますと、この物質が日本の海に大量に眠っている
ということです。

メタンは、燃焼時に発生する二酸化炭素量が、石油や石炭などに比べる
と約半分と大変環境にも優しいが、いかんせん推進500mから1000m程度の
海底のさらに地下数百メートルの地層から採取する必要があり、高い技
術と資金が必要となってくるのです。

日本の周囲に豊富に存在する海洋エネルギーも重要な次の発電手段です。
 そのひとつが「洋上風力発電」です。 地上の風力発電に比べて立地
確保や景観の問題、プロペラによる羽切音の騒音問題などがないという
メリットがありますが、陸上に比べて設備コストがかかってしまうとい
う難点はあります。

世界四位の海水量を誇る海洋大国の日本が注目しているのは、「波力発
電」
です。 波の力を発電に変えてしまおうというのがこれです。 波
による海面の上下運動で空気を圧縮し、その力でタービンを回転させて
発電します。

今回多大な被害をもたらした大津波も、逆転の発想で発電の対象の源泉
として活用できるのかもしれません。 日本の海岸線に押し寄せる全て
の波の力を波力発電に使用すると、一時間で約3500万キロワットの発電
が可能となるという試算もあり、これは、この夏に予測されている首都
圏の電力不足1500万キロワットの約2倍以上を楽に賄える計算です。

あと、「海底温度差発電」というのもあります。 表層の温かい海水(25
~30度)と、深層の冷えた海水(4~5度)の温度差を利用して発電す
るのですが、風力や太陽光などの自然エネルギーと違って、天候に左右
されずに安定した供給が期待できます。

いずれの方法も、送電方法や経済合理性など解決すべき課題・問題点が
山積しておりますが、日本を始め世界各国の研究機関が実用化に向けて
確実に歩みだしております。

逆に世の中の流れと逆行するかのようですが、「石炭火力発電」も見直
されています。 最新鋭の火力発電所では、石炭を燃やした際のNox
(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)などを削減する技術が大幅に進み、
クリーンエネルギーになってきたということです。

Jパワーの横浜発電所では、大震災の後フル稼働の様ですが、ここも発
電効率が、20%台以下が一般的な太陽光や風力よりも40%以上も高く、
昔の石炭火力のイメージではないようです。

あとは、プロパンガス(LPガス)から電気を作り燃料電池ユニットに
蓄電し、かつ太陽光発電と組み合わせたダブル発電という家庭用向けの
自家発電システムも実用化されてきました。

これからの世の中は、益々節電が求められるでしょうし、さらに究極的
には、各家庭はエネルギーの自給自足へと回帰していくようにも思えま
す。

読者の皆様も、これを機会に発電という課題を身近なものとして捉え直
して、最適なエネルギーとは何かを考え直してみては如何でしょうか?

参考文献:「日本は世界第4位の海洋大国(山田吉彦著)講談社」

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